ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-19「アヴェ・マリア」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-19「アヴェ・マリア」

2021.06.22

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-19「アヴェ・マリア」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

美しいコラール風の楽曲です。演奏上の指の素早いテクニックは必要としませんが、ハーモニーの移り変わりの際は音色の変化を伴えると、より曲の雰囲気が増します。

 

【対象レベル】

・重音を押さえることができ、レガート奏法でフレーズを作ることができる。

・簡単な手のポジション移動ができる。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜8小節目:

教会で祈りを捧げているような神聖な雰囲気が漂います。和音の同音打鍵は決してスピードをつけて打鍵しないよう、予め指は鍵盤に接しておくようにしましょう。重音のレガートは途中で切れてしまわないよう、合理的な指番号を使ってください。全体的に音量はPですが、平坦になってしまわないようある程度の抑揚はつけましょう。

 

9〜16小節目:

イ長調からホ長調に変わり、イ短調の和音を経由して属調(嬰へ短調)のドミナントを持って主調へ返ります。転調がある瞬間は、まるでステンドグラスの光彩が光の当たり加減で変化していくような音色の変化があると良いでしょう。鍵盤にかかる圧力を変えるなどして、ハーモニーの移り変わりを顕しましょう。

 

17〜30小節目:

8分音符で多少動きが出てきますが、必ず一定のテンポで。レガートを切らないために、指番号を最適な形で考えましょう。主旋律の和声感を邪魔することなく響かせるため、8分音符はなるべく小さめな音量で。

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



PAGE TOP