ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-16 「あまいなげき」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-16 「あまいなげき」

2021.06.11

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-16 「あまいなげき」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

ト短調で悲壮的な旋律の楽曲です。テクニックとしては5-3、1-3などの隣接してない指、5-4、3-4の動かしにくい隣接した指をレガートを持って丁寧に動かすことを目標としています。ただ音符をなぞっていくだけでなく、音楽がどのような表情をもつべきなのか想像しながら練習しましょう。

 

【対象レベル】

・指番号を理解し、両手それぞれ5本の指を使ってレガートで弾くことができる

・親指のくぐらせ、飛び越えなど簡単なポジション移動を行うことができる。

・調号と臨時記号について正しく理解をしている

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜8小節目:

嘆き声のような左右の16分音符のフレーズは、規則正しい音価を持って弾く必要がありますので指のコントロールに注意しましょう。きれいなフレージングにするために強弱法を必ず用います。主旋律(1〜4小節右手)の2分音符と8分音符のタイは、タッチが弱々しければ音が減衰し左手の対旋律に負けてしまうため、保持する音は重さをもって打鍵すれば通る響きの音で発音できます。

 

13〜14小節目:

曲中最も盛り上がる箇所になります。フォルテとなっても、左手のコントロールは失わないようにしましょう。ポジション移動を繰り返す際、黒鍵が多く出てきますので、手の形に則した指の配置、指番号を守るようにすれば事故が起きにくくなります。

右手の旋律はレガートを続ける必要があります。左手につられてフレーズが途切れないよう、慣れるまでは左右別々の練習を重ねると良いでしょう。

 

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



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