ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-15 「バラード」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-15 「バラード」

2021.06.04

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-15 「バラード」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

この練習曲中でも有名な曲の一つです。ポジションの移動がさほど多くない為、読譜が比較的行いやすく取り組みやすい楽曲となっています。

 

【対象レベル】

・5本の指の独立に加え、親指のくぐらせ、飛び越え、ポジション移動など、基礎的なテクニックを習得している。

・指の配置を変えながら、連続する和音を瞬時に掴むことができる。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜18小節目:

右手の和音は2種類しかないので、和音をしっかりと綺麗に揃えて弾けるのであれば難なく奏することができるでしょう。左手の16分音符は転ばないように指の一つ一つの独立を意識して練習しましょう。

8分の3拍子はやや取りにくい拍ですから、慣れてなければリズム・音価の不揃いが発生しやすいでしょう。右手が拍打ちの役割を果たしてくれるので、なるべく両手の練習を多くするとリズムの整合性を取ることができます。

 

19〜23小節目:

重音が出てきますが、観察すると両手親指は常にソの音にあることがわかります。共通する音を軸にして端の音を探すようにすると記憶しやすくなる筈です。

 

39〜46小節目:

左手の和音が少々取りにくい箇所となります。表記の指番号は手の移動を最小限に押さえる面から見て合理的ではありますが、幼児のような手が小さい学習者にとっては少々手の大きさ的に苦しいかもしれないので、ポジションの移動を前提に楽な指の配置を考えてあげると良いでしょう。

 

 

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



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