ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-21「天使のハーモニー」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-21「天使のハーモニー」

2021.07.03

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-21「天使のハーモニー」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

比較的ゆったりとしたアルペジオの練習曲です。ただ演奏するだけでなく、和声の理解を深めるなど楽典的知識を取り入れることも試みましょう。

 

【対象レベル】

・和音や分散和音についての知識が備わっている。

・ある程度の速度でのポジション移動を行える。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜2、5〜6小節目:

まず手始めに、小節ごとに使われている音を調べましょう。ハーモニーを構成している音はさほど多くないことに気がつきます。1小節全体を同時に和音として鳴らし、ポジションを確認した上で楽譜通りの分散和音で弾くと、間違えることなく打鍵できます。

 

3〜4、9〜10小節目:

1小節内で和製の変化はありませんが、ポジションの移動が二拍ごとに伴います。焦らず2拍をひとまとまりにして和音として掴み、どのようにポジションが移動するのかを観察すると良いでしょう。

 

13〜16小節目:

左手にメロディーラインが現れます。ここでは低音が動くことによりハーモニーが変わります。(右手3,4の指の音が共通)

難しい箇所ではありませんが、構成音が一音変わるだけで和声の響き方の変化に耳を傾けながら弾くと、音楽の面白さを(新たに)発見できるかもしれません。

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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