ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-練習時と本番時の弾き方の違い
ピアノに関するQ&A-練習時と本番時の弾き方の違い
2020.10.13
Q:演奏本番の時に、練習してる時と響きなどが違って違和感があるのですが、対策はありますか?
A:ピアノは他の楽器と違い、自分の楽器を現場に持ち込めないことが大きなデメリットだという風には言われています。ただし、沢山の演奏の本番経験を積んでくると、ピアノのクセや会場の響き方のクセが瞬時にわかるようになってきます。
ピアノの製造には多くのメーカーが携わっているのはご存知だとは思います。
例えば我々にとって最も身近なメーカーの「YAMAHA」は、いわゆるスタンダードな感触で、型番によって若干の違いはあるもののコントロールのしやすさでいうと優れたピアノであるでしょう。
また、ハイクオリティなピアノで知られる「Steinway & Sons」では、多くの特徴的な操作感を感じることになります。タッチは比較的浅く、ペダルは独自規格なので特有のペダル操作が必要です。慣れてないと「確かに音はきれいだけど弾きにくい」ピアノとなるでしょう。
また、もう一つの要因として会場の音の響きによるところもかなり大きくあります。普段との感覚の差異を左右する要素の一つに「残響音」があり、発音した後にどれだけ音がのこってるかによって、音量やペダルの量を加減しなければなりません。また「音の跳ね返り」具合にもよるところが多く、跳ね返りが少なければ客席と舞台とでは響き方に変化が出るので、演奏後の自分の記憶と聴衆の感想が食い違うというのはよくある話です。
このように、色々な要因によって本番の演奏というのは左右されてしまいますが、なるべく様々の経験を積んでおくと瞬時にそれらを判断し演奏に反映させることができる様になります。