発表会や本番で緊張しない方法を教えてください。
とってもよく聞かれることですし、私たちピアノ講師も人前で弾く機会が結構あるので、よく考えることです。
明確にこれすると緊張しないです、あれすると緊張しないです、とお伝えしたいのですが、
緊張しない方法というのはおそらく存在しないと思います。
ですが、すこしでも和らぐ方法というのは存在するのでそれについてお伝えしていきます。
一つ目はとにかく体を冷やさないということです。緊張してしまうと、冷や汗をかいてしまいとにかく体が冷えます。
夏はホールの中が冷房で寒いですし、冬は元々寒いから冷えやすいですよね。
冷えると緊張するし、緊張すると冷える、という悪循環になりがちです。ホッカイロを持っていく、手袋をするなどはすでに皆さんやっておられると思いますが、私はほぼ必ずと言っていいほど水筒にただのお湯を持っていきます。本当にポットかやかんで沸かしただけのただのお湯です。
というのも、お茶やコーヒーを飲んでしまうとトイレに行きたくなってしまいますし、余計に体が冷えてしまいます。ですからお湯がベストです。舌をやけどしない温度まで下げてから持っていきましょう。
二つ目はチョコレートかバナナを持っていくことです。
本番前は緊張してあまり食べれないことがあります。ですが、食べないとやはり体調が悪くなってしまうことがあります。
そこでチョコレートかバナナを食べてエネルギーを蓄えましょう。また甘いものはストレスを緩和する働きがあるので、気持ち程度ですが緊張は和らぎます。 三つ目は本番当日ではなく、前日までにやっておきたいことです。 それは本番の衣装、靴を身につけて演奏してみるということです。やはり普段の服よりはかしこまった服を着るので、多少動きづらさや歩きづらさ、ペダルの踏みづらさがあると思います。本番にいきなりなれない服や靴で演奏するのではなく、前もって衣装や靴に慣れておくことをおすすめします。
とくに手を交差して演奏する際は衣装の確認は必須です。 緊張は誰でもするものですし、オリンピック選手でさえ足がガクガク震えたりするそうです。本番前に「緊張してはいけない」と自分を否定するのではなく、ぜひ「緊張はこれまで頑張ってきた印だ」と自分を肯定してあげてください。
ダリ・ピアノ教室講師 草間 友来(国立音楽大学卒)