ピアニストからの手紙トップ 音高の受験科目について

音高の受験科目について

2022.09.15
前回、進路を選ぶ際に音高という選択肢があることをお話ししました。
今回はもう少し具体的に、音高を受験する時にどのような準備をするのかお話しします。
私が受けた時期とは受験のシステムは変わっていますが、
事前に準備する事はそれほど当時と変わらないかなと思います。
受験期に勉強したことは入学してからも役に立ちますし、
普段のレッスンでも使えることが多いので無駄なことはありません。
音高受験ならではの科目以外にも、国語や数学、英語などの一般の学科もあります。

【実技試験】
こちらは課題曲が決まっていることがほとんどなので、要項をよく読んで、
今ついている先生と一緒に決めることをおすすめします。
専攻楽器によっては副科としてピアノを演奏しなければならないこともあります。
ピアノ科ほど弾ける必要はありませんが、
ピアノ教室に通ってソナチネ程度まではきちんと弾けるようにする必要があります。

【聴音】
聴音とは、ピアノで弾く旋律を楽譜に書き起こすことです。
聴音にはコツがあります。
各小節の頭の音だけを、なんとしても2回ほどで全て聴き取ることです。
できれば一回が理想です。
曲はメトロノームに合わせて弾かれることがほとんどですので、
リズム感の心配はそれほどないと思います。

最初は全く取れなくても仕方ありません。
繰り返し課題をやり、わからなかったら解答を見る、を繰り返します。
私は、同じ曲を数回やると覚えてしまってあまり意味がないので、
毎回新しい課題に取り組みました。
私は自分の生徒さんに聴音のレッスンをする時は課題集などは使わず、
自分で課題を作ります。
小さい頃の自転車の練習のように何度も繰り返していくうちに、
コツがつかめてくるはずです。

【新曲視唱】
新曲視唱とは、当日に譜面を渡され初見で歌うというものです。
これも聴音と同じく、繰り返しの練習が大切です。

誰かに聞いてもらった方がよいので、恥ずかしいかもしれませんが
ピアノの先生にも聞いてもらいましょう。
本番は沢山の試験官の前で歌わなければならないので、緊張しないように、
度胸をつける練習にもなるはずです。

【楽典】
独学でも何とか勉強出来ると思います。
私は受験期〜高校2年生くらいまでソルフェージュの教室に通いました。
というのも、和音の機能(ドミナントやサブドミナント)の概念が
本を読むだけではなかなか理解できなかったからです。
ピアノのレッスン中にもこういった単語は頻繁に使われるので、
深く理解したい場合は教室に通うことをおすすめします。

音高受験はあまり一般的ではない進路ですが、音高に通っていたことは
私にとって音楽の土台となり、人生の大きな財産となっています。
少子化によりなくなってしまった音高もありますが、
音高という選択肢を選んでくれる受験生が増えてくれたら嬉しいなと思います。

武蔵浦和駅前教室

ダリ・ピアノ教室講師 草間 友来(国立音楽大学卒)

PAGE TOP