ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-9 「狩り」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-9 「狩り」

2021.05.11

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-9
「狩り」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

活き活きとした8分の6拍子の曲です。「狩り」というタイトルを冠する曲は、どれも角笛(ホルン)のイメージをもって演奏すると良いでしょう。3度音程と6度音程が織りなすことが多くなるため、重音をきちんと揃えるように弾けるとより美しくなります。

 

【対象レベル】

・連続した和音を押さえることができる。

・音程の基本的な概念を認識している。

・複合拍子の理解、8分の6のリズム感を培っている。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜4小節目:

左手の3和音が転回形を用いながら連続します。和音や手の移動に慣れてないと少し苦戦するかもしれない箇所です。移動しても使っている音は限られている(ド、ミ、ソのみ)というをことを認識しておくと、楽譜を精査することなく鍵盤上で弾くことができます。また、リズムも疎かにしないように気をつけましょう

 

5〜12小節目:

左右の手を別々に練習しましょう。右手のパートは単純な分散オクターブなのでさほど難しくはありません。左手は違う種類の音程間の重音が連続しますので、指だけで覚えるのではなく、それぞれの音程の響きをしっかり認識した上で練習していくと、より譜読み後の記憶が鮮明になります。

 

 

13〜16小節目:

右手は三度音程でメロディーが構成されています。それぞれの重音が付点四分音符となっているのでそれほど指の独立性を求められることはありません。一つのポジション内で弾くことができるので、指番号はしっかりと守りましょう。

 

 

29〜36小節目:

右手は単音のメロディーに変わります。テクニック面では比較的優しいパッセージですが、平坦な音楽にならないようダイナミクスをしっかり意識して演奏しましょう。左手は単純な伴奏部分となってますが、決して主役(右手のメロディー)より目立たないように。

 

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



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