ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-8 「優美」
【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-8 「優美」
2021.05.07
ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-8
「優美」
[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]
【概要】
32分音符のような細かな連符を鮮やかに弾くための練習曲です。速いパッセージはガムシャラに打鍵しようとせず、力を抜いて頭と指先の神経がしっかりと接続できているようなコントロール感で練習することを心がけましょう。
【対象レベル】
・ハノンやチェルニー等の指の独立を重視する練習曲を正しく弾くことができる。
・レガート奏法を用いながら、連符のアーティキュレーションを意識することができる。
【参考演奏動画】
演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)
【練習・指導のポイント】
1〜8小節目:
指番号は記載の通り確実に守るようにします。音価は大雑把にしようとせず必ず等間隔に。32分音符は4つで8分音符と同等の長さとなるので、そこを認識した上でまずは8分音符ごとに拍を刻みながら弾いてみましょう。比較的ゆっくりのテンポでメトロノームを用いると、良い矯正力を発揮する練習となります。
音価が揃っているなら32分音符の連符の音ひとつひとつに着目し、耳でしっかり聴きながら前の音とくっついてないか確認しながら弾きます。打鍵だけでなく指を鍵盤から離すことにも重きを置きましょう。
また、力みやすくなってしまう箇所なので、力が入っていると感じた時は力んでいる筋肉のポイントに意識を向けてみると、少しずつ力がほぐれていきます。
9〜16小節目:
モチーフが左手に移りますが、ここでは1,2,3という比較的動かしやすい指を使うことができるため、右手よりもコントロールしやすいと感じる人も多いでしょう。練習方法は1〜8小節の時に行った方法と同じことを試しましょう。
右手の和音はポルタートでなので、はっきりと区切らずに手首の柔軟さを用いながら柔らかなアクションで打鍵します。
【執筆者】
塩川正和
- パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
- 指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
- YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ)