ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-4 「小さな集会」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-4 「小さな集会」

2021.04.23

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-4
「小さな集会」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

三度音程が連続するパッセージを滑らかに、正確に弾くための練習曲です。可愛らしい曲ですがそれぞれの指がしっかりと独立していないと弾けず、ある程度指の訓練が終わっていなければ取り組むことは難しいでしょう。

 

【対象レベル】

・5本の指をそれぞれ独立して動かせており、薬指から人差し指、小指から中指など隣同士ではない指遣いの曲を経験している。

・音階などで親指を使ったポジション移動を楽に行うことができる。

・手首を振ることなく滑らかなレガート奏法ができている。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜4小節目:

早速右手に三度音程の進行が現れます。ここではスタッカートなので、指を固定しつつある程度手首を楽にしてスタッカートを打ちます。この際指番号は表記のもの以外に2と4の指の組み合わせのみを使っても弾くことができます。

白鍵を一鍵ずつずらしながら弾くことは以外にも難しいので、隣の鍵盤にかすったりしないよう慎重に一つつずつ打鍵しましょう。

 

7〜9小節目:

右手の三度音程進行のメロディーはスラーとなります。この際は手首を振って演奏してしまうと、粒が大きくなりすぎたり重音が不揃いになりがちなので、手首は固定し、指の力に加え腕自身が持つ重力も利用して打鍵できると、動かしにくい3,5→2,4でも滑らかなレガートで奏することができます。

同じ音で指を変える際も、完全に鍵盤から指を離すことなく親指をじくに使いながらうまくまた3,5に入れ替えましょう。

 

13〜14小節目:

ここでは音程が6度となり、より弾き辛くなります。版によっては最初からスラーが存在しない楽譜もありますが、下記の指番号が届く手の大きさであれば、切ることなしにレガートで演奏することが望ましいでしょう。(または1,5 – 2,5 – 1,4 -2,5 – 1,4 – 1,3 – 1,4 で弾くとより滑らかさが際立つ)

 

15〜18小節目:

レガート内が一つのポジション内で弾けてしまうため、比較的容易な部分です。しかし中指と薬指を別々に動かすことの弾きにくさには変わりはありません。

弾いている間に他の指が鍵盤にくっついていかないよう、しっかりと離鍵をしておくことが肝心です。

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



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