ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-23「帰り道」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-23「帰り道」

2021.07.13

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-23「帰り道」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

同音の打鍵のための練習曲です。同じ鍵盤を高速で叩くという行為は、一見単純ですが高度な熟練を要します。

 

【対象レベル】

・ピアノ演奏の基礎について学び終えており、脱力を用いた双方が可能である。

・打鍵のための筋力が発達している。

・和音のポジション移動を難なく行うことができる。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜8小節目:

左手は単純な拍打ちとなりますが、常に8分の6のリズムを感じて打鍵しましょう。右手は小節を跨ぐ少々長いフレーズなので、一拍ごとに重くならず一つのつながりとして意識しましょう。

 

9〜16小節目:

ポジションをほぼ移動させずに弾くことができます。一定以上の速度で演奏するためには、筋力を使いすぎないように気を付ける必要があります。リズムを常に意識し、打鍵の際はなるべく自重を用いましょう。

 

17〜24小節目:

フォルテの指示がありますが、全ての音を大きくすると右手の和音の連打で筋力を大幅に消耗してしまいます。ここでは重要なのは左手のアルペジオのメロディですので、音量の優先順位を左手に意識しましょう。記載はされてないですが、右手はmf以下の音量で。記載の音量指示は総和としてのものと考えましょう。

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



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