ピアニストからの手紙トップ 発表会や本番で緊張しない方法を教えてください。

発表会や本番で緊張しない方法を教えてください。

2022.10.26

とってもよく聞かれることですし、私たちピアノ講師も人前で弾く機会が結構あるので、よく考えることです。

明確にこれすると緊張しないです、あれすると緊張しないです、とお伝えしたいのですが、

緊張しない方法というのはおそらく存在しないと思います。

ですが、すこしでも和らぐ方法というのは存在するのでそれについてお伝えしていきます。

一つ目はとにかく体を冷やさないということです。緊張してしまうと、冷や汗をかいてしまいとにかく体が冷えます。

夏はホールの中が冷房で寒いですし、冬は元々寒いから冷えやすいですよね。

冷えると緊張するし、緊張すると冷える、という悪循環になりがちです。ホッカイロを持っていく、手袋をするなどはすでに皆さんやっておられると思いますが、私はほぼ必ずと言っていいほど水筒にただのお湯を持っていきます。本当にポットかやかんで沸かしただけのただのお湯です。

というのも、お茶やコーヒーを飲んでしまうとトイレに行きたくなってしまいますし、余計に体が冷えてしまいます。ですからお湯がベストです。舌をやけどしない温度まで下げてから持っていきましょう。

二つ目はチョコレートかバナナを持っていくことです。

本番前は緊張してあまり食べれないことがあります。ですが、食べないとやはり体調が悪くなってしまうことがあります。

そこでチョコレートかバナナを食べてエネルギーを蓄えましょう。また甘いものはストレスを緩和する働きがあるので、気持ち程度ですが緊張は和らぎます。 三つ目は本番当日ではなく、前日までにやっておきたいことです。 それは本番の衣装、靴を身につけて演奏してみるということです。やはり普段の服よりはかしこまった服を着るので、多少動きづらさや歩きづらさ、ペダルの踏みづらさがあると思います。本番にいきなりなれない服や靴で演奏するのではなく、前もって衣装や靴に慣れておくことをおすすめします。

とくに手を交差して演奏する際は衣装の確認は必須です。 緊張は誰でもするものですし、オリンピック選手でさえ足がガクガク震えたりするそうです。本番前に「緊張してはいけない」と自分を否定するのではなく、ぜひ「緊張はこれまで頑張ってきた印だ」と自分を肯定してあげてください。

ダリ・ピアノ教室講師 草間 友来(国立音楽大学卒)

PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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