ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-練習方法について(繰り返しの練習)

ピアノに関するQ&A-練習方法について(繰り返しの練習)

2021.02.17

Q:繰り返し練習はどの程度意味があるのでしょうか。できればあまりやりたくありません。

 

A:(講師:塩川)ピアノ演奏は、人間の脳にとって非常に緻密な運動制御能力を要求する行為です。

精密な動作を伴う身体の動きは小脳といわれる部分の働きが要になることが判明しています。

小脳には正誤関係なく感覚入力による動作の記憶が蓄積されていき、その後は大脳における運動野との連動で「教師あり学習」(正誤学習)を通して動作の最適化を行っていきます。

基本的には正しい情報も間違った情報も取り入れ、それを修正していくことで無意識的な素早い手の運びが可能になっていきます。これが「繰り返し練習」の有効性です。

つまり、ただ間違いながらダラダラと反復練習を繰り返しても無意味だということです。何が正しくて何が間違ってるか、しっかり有意識下で監視をしながら練習を行いましょう。

 

 

 



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

PAGE TOP