ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-練習のやり方、部分的な練習について

ピアノに関するQ&A-練習のやり方、部分的な練習について

2020.10.16

Q:練習はしているのですが、いまいち正しいやり方がわかりません。最初から最後まで通すより、細かく分けた方がいいですか?

 

A:(講師:塩川)良い練習のコツは、一つの方法に縛られずに複数の練習法をうまく使い分けることにあります。一番分かりやすい考え方は「全体⇔部分」や「速く⇔遅く」など対義的に練習のしかたを変えてみると、まずは把握しやすいかと思います。

もうすこし踏み込んで考えると、楽譜を分析することも必要になってきます。

例えば「仲間探し」という観点で見てみると、音楽では必ずと言っていいほど最初に出てきたものと同じ部分が後ほど出てくるということがあります。細かな練習の際は全く同じ個所の練習は省くと時間の節約につながります。

また、同じではないが似ている(元の主題が転調している、など)というのも多々あるので、そういったところも観察しながらご自身で楽譜上いくつかの区切りをつくりましょう。その区切りの中で練習を行う、つまり部分練習をするとより意識的に上達を目指せます。

人間の集中持続力には限界がありますので、このようになるべく細かく分け、休憩をとりつつ頭をしっかり使いながら練習することがより効果的です。

 

PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

PAGE TOP