ピアノに関するQ&A-練習のための選曲について
Q:大人でピアノを習ってます。今一曲しかしてないので、何か別の曲もやった方がいいのか悩んでます。
A:(講師:塩川)もし何かほかにも曲をやってみたいというのであれば、それはとても良いことですので是非曲を平行してやってみましょう。
もし始められて間もない場合、最初に取り組むのはバーナムやバイエルなどの教本だと思います。しばらくは教本を集中的に行う必要がありますが、ある程度ピアノ演奏の基礎的なセオリーが分かってきたら、何か簡単で有名なクラシックの曲に同時並行で取り組むとよいでしょう。その際、少し難しいと思えるような曲を選ぶこと、決して短期間で仕上げようと思わないこと、だれか他の人(師事している先生など)から曲を指定してもらうことをするとモチベーションを保ちやすい筈です。
ある程度年数が経っている方だと、ある程度の大曲に取り組んでる方も多いと思います。有名で難しい曲を取り組んでる際に起こりやすい問題としては、曲を仕上げることばかり熱中して、基礎的なテクニックや演奏や読譜の際の普遍的なコツなどがおざなりになっていることが多いです。その場合は、少し簡単かなと思えるような練習曲(チェルニー30,40番練習曲あたりなど)にとりくむとよいでしょう。一見すると簡単でも、単純なスケールやアルペジオを綺麗に弾く事は相応の技術力が求められます。少し初心にかえる気持ちで取り組むと、今まで気づかなかった新たな発見などがあるかと思います。
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。