【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-2「アラベスク」

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-2
「アラベスク」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

25曲あるうちで最もよく知られている曲でしょう。素早い16分音符のメロディーを明瞭に発音する必要がありますが一つのポジション内で完結し、曲全体を通して指のくぐらせが最小限に抑えられてますので、初級段階の学習者でも比較的容易にアップテンポで演奏することができます。

 

【対象レベル】

・5本の指をそれぞれ独立した状態である程度早く動かすことができる

・ポジション移動における指の再配置についての理解と経験がある

・16分音符と8分音符の音価の違いの把握ができている

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

3〜6小節目:

それぞれの小節内の16分音符は一つのポジション内で完結しています。指をきちんと独立した状態で動かす必要があるので、最初から速いテンポで弾こうとせず、アーティキュレーションを意識しつつ自分の耳でしっかりと発音した音を拾いましょう。打鍵した後はしっかり指を離すことを特に意識すると、音が綺麗に転がっているような感覚となります。3、4、5の音階は特に前後の音がくっつきやすくなるので注意が必要です。

 

7〜9小節目:

両手で練習する際は予めリズムをしっかり確認しておくことが大切です。まずは右手で練習し、8分休符の位置、タイの長さなど、片手状態でも疎かにせず拍を打ちながら頭と手で理解をしましょう。

左手の和音の移動は、親指のみ全音分左右にずらすだけでポジション内で弾くことが可能です。和音の真ん中の音は、音が変わった際は前と同じ指を使おうとせず、1,2,5 → 1,3,5というふうに別の指を使うようにすると良いでしょう。

 

12〜17小節目:

16分音符の動きが左手に移ります。こちらも導入部の右手と同じように、小節内では一つのポジションで弾くことができます。ただし左手のすばやい動きに未だ不慣れであれば、最初は左手のみの練習をゆっくり行いましょう。打鍵の後にしっかりと離鍵を行うことも忘れないようにしましょう。

 

17〜19小節目:

両手それぞれの指があべこべにくぐり・飛び越えながら下降していきます。途中不規則的に半音階進行が出現したりするので、まずは片手ずつ動きを確認しましょう。ある程度片手練習が済んだら、両手で8分音符ずつゆっくりと左右の指の動きを確認しながら練習を重ねます。その際指番号を厳守することを忘れずに行えると、回を重ねるごとにきちんと上達することができます。

 

28〜33小節目:

導入部のメロディーに似ていますが、一部変更がなされています。小節ごとのパーツを違うように組み合わせてるだけなので、特別なテクニックの練習はすでに3〜6小節目にて完了している筈です。ポジション移動の際の手の配置先だけしっかりと確認しましょう。

“risoluto”の部分では決して急ぎすぎず、一音一音よりはっきりと発音させるようにします。前後の小節で大きな跳躍を要するので、この辺りをインテンポで飛び込むのが不安であれば、多少なりとも間隔をあけて移動先を視認できてから打鍵しても音楽的な欠陥はありません。その際はあまり長い時間留まるとリズムが狂ってしまうので、いずれにせよ早めに手の配置の準備をすることが必須です。

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-1「すなおな心」

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-1
「すなおな心」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

合計25曲あるブルグミュラーの作曲した、導入期を終えた学習者のための練習曲のうち一番初めの曲。

ポジションの移動が比較的少なく、まだ指のくぐらせや手の跳躍に慣れてない学習者のための練習曲に最適です。

 

【対象レベル】

・指番号を理解し、両手それぞれ5本の指を使ってレガートで弾くことができる

・左手で3つ以上の音符の和音を押さえることができる

・調号と臨時記号について正しく理解をしている

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜4小節目:

指番号を正しく守ることに重きを置きましょう。小節内での右手の移動はほぼありませんので、始まりの音を表記の指で鳴らし、他の指は綺麗に並べることで音符読みがそれほど得意ではない奏者でも楽に譜読みが行えます。3小節目の2の指の飛び越えもしっかりと鍵盤を確認しながら弾きましょう。

左手は最初のドレミのI和音から次のⅣ2に行く際、親指をみぎにずらします。残すべき指と移動すべき指をしっかり分けて考えると、和音に不慣れでも楽に記憶することができます。

 

9〜12小節目:

右手左手ともに一度手の位置どりをすれば4小節間はほぼ指番号のみを見て弾くことができます。音符読みが苦手な学習者でも、初めから両手を使って弾くことができるでしょう。途中左手レドミドの3と2の指の小移動のみ細かく確認しましょう。

 

14〜16小節目:

指の小移動が比較的多くなります。右手だけの練習をまず行い、しっかりと把握しましょう。2度進行(鍵盤が隣同士)とそうでないもの(跳躍進行)とを分け、移動すべき指と移動してはいけない指をしっかりと確認すると覚えやすいです。

 

17〜20小節目:

2の後の1の指のくぐらせ、小節をまたぐ時の5または3の指の小移動に注意しましょう。左手は親指で♭ラを弾くことになるので、押さえやすいように鍵盤の奥側に手を置くことを意識してください。

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ

英会話コースに新しい講師が加わりました!

2021年3月より、新しくミワ先生(女性)に、英会話・フォニックスの講師にMiwa先生が加わりましたので、お知らせいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。

ミワ先生よりご挨拶
こんにちは!7年前に上智大学入学のため日本に来ました。
上智大学では、国際経済経営学を専攻していました。ビジネストピックについては、何でも聞いてください。小さいころからインターナショナルスクールに通っていたので、母国語は英語です。大学卒業後は、これまでに大人の英会話やキッズ英会話の指導を長く経験してきました。
趣味は、アート・手芸・ダンス、そして歌を歌うことです。旅行も好きです。世界旅行するのが、夢です。
よろしくお願いします。

中国語講師に新しい講師が加わりました!

中国語講師に新たに1名講師が加わりましたので、ご紹介させていただきます。

【講師紹介】賈 智慧 (カ チエ)

こんにちは。カ チエ と申します。
私は、2009年に中国師範大学を卒業してから日本にきました。2013年にIPA国際中国語講師資格(高級)を取得し、日本人の皆さんに中国語の指導をしております。
私のレッスンでは、幼児から年配の方まで丁寧に指導いたします。生徒さんと話すことが大好きで、中国語の面白さや中国の文化を皆さんにお伝えできれば嬉しく思います。
生徒の皆さんの中国語能力が確実に伸びるよう、人それぞれの状況に合わせた親切丁寧な指導を実践してまいります。
つねに明るい笑顔と穏やかな応対を心掛け、楽しく中国語の勉強をしていただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ピアノに関するQ&A-楽典の勉強について

Q:小さい頃から楽典の勉強をさせることに意味はありますか。

 

A:(講師:塩川)子どもたちの発達段階と理解力の限界にもよりますが、論理的な話は意外にも真剣に聞いてくれる子が多いです。「なんで?なんで?」とひたすら子どもから理由を聞かれて困っている大人が多いことからも推測できることですが。

まずは譜読みが簡単になる楽典の知識から与えていきましょう。たとえば「オクターブ」という音程の概念があれば、わざわざ五線譜を数えなくても、今弾いてる音と同じ名前の高い(低い)音、ということで楽に次の音を探せることになります。

また、半音と全音、という概念は4、5歳でも認識できるのでなるべく早い段階で教えましょう。シャープやフラットは絶対黒鍵を弾くもの、と認識してしまっている子が多いように感じます。

難しい単語を覚える、というわけでなく、こういう法則を知っておくと楽に弾ける、というアプローチから、演奏の補助として教えてあげると興味をもってしっかりと理解してくれるでしょう。

 

運営企業:株式会社ダリコーポレーション(スクール名:ダリ・インスティテュート)

 

ピアノに関するQ&A-練習のやり方、部分的な練習について2

Q:通し練習だけでなく部分練習をすれば上達すると聞きましたが、なかなかミスしたり止まったりが減りません。

 

A:(講師:塩川)すべてに言えることですが、一点集中することなく上達や成功はあり得ません。

なぜ部分練習をするべきなのか考えてみましょう。それはたいていの場合、通して弾いていると段々と集中が落ちてきてしまって、後半の方は間違いや悪い癖をつい見過ごしてしまうからです。一旦中断して、集中力が回復してからその後半部分から弾くことによって、見過ごしていたミスも気付けるようになります。

ただダラダラと部分練習をしたとしても、通して弾いた時と何も変わりません。やるならしっかり集中力をもってやる、集中力が減ってきたら休む、というメリハリのあるサイクルで練習することにより、無理のない効果的な練習ができるようになります。

 

運営企業:株式会社ダリコーポレーション(スクール名:ダリ・インスティテュート)

 

ピアノに関するQ&A-絶対音感について

Q:どのような音感トレーニングをすれば絶対音感が身に付くでしょうか。

 

A:(講師:塩川)絶対音感は一般的には特殊な能力の一つと数えられています。

純粋な絶対音感は生まれ持ってなにも訓練せずとも音を言い当てられるものですから、音感トレーニングを必要としません。

後天的に訓練することも可能ですが、それは絶対音感と言えるかは怪しいです。まずは基準の音を鳴らし、例えばそれがドの音であると知ったうえで別の音との音程の幅を見極めることで音の言い当てが可能となります。そのケースでいくならば、ある程度の楽典力と実践を積み重ねれば誰にでも音感は備わります。

ちなみに、楽器の演奏に関しては絶対音感は逆にマイナス要因につながることもあります。たとえばある曲のキーを変える際、相対音感(これも能力の一つと考えられます)を使った方が容易に対応ができるからです。絶対音感の場合、ドの音は天地がひっくり返ってもドなので、移調に関しては先天的に苦手であると言えます。

 

運営企業:株式会社ダリコーポレーション(スクール名:ダリ・インスティテュート)

 

ピアノに関するQ&A-演奏本番時の緊張について

Q:緊張しなくなる方法が知りたいです。いつも本番でガチガチに緊張してしまい苦しいです・・・。

 

A:(講師:塩川)失敗をたくさん積み重ねましょう。それ以外に正攻法はありません。

私や他の奏者、またはピアノに関係なくある分野のエキスパートの人にとっては、自分のなかで「こうすればよい」というものはあります。ただし、それは自分自身が経験として積み重ねた上で成り立っているので、情報として方法論を伝えたとしても恐らくそれを実現することは難しいでしょう。

確実に成功する方法を見つけることはほぼ不可能ですが、確実に失敗する方法は容易く見つけることができます。データとしてそれらを積み重ねたら、後は消去法的にそれらを避けていけばよいのです。

また、結構舞台を踏んできたけどまだ緊張して上手く弾けない、と言う人もいますが、ご自身の見積もりと反して絶対数が圧倒的に足りてないこともあります。

とにかくめげずに何度もチャレンジしていきましょう。

 

運営企業:株式会社ダリコーポレーション(スクール名:ダリ・インスティテュート)

 

ピアノに関するQ&A-左右の手のバランスについて

Q:右手にいつも力が入ってしまうのですが、何が原因でしょうか。

 

A:(講師:塩川)おそらく左手に力が入っているからです。

なぜ左手に力が入ると連動して右手に力が入るかというと、低音は音が響きやすいうえに、伴奏的なパッセージが多い場合は右手のメロディーの減衰する持続音を左手でかき消してしまうため、無意識的に右手により力をいれてメロディーを浮きだたせようとする傾向が大半の人にあります。

分かりやすい考えとして、引き算思考というものがあります。つい何かを足そうとしてしまうのは人間の性なのでしょうか。右手の音量をそのままにして左手の力をより抜くようにすれば、相対的に右手のメロディーが浮き出してくるはずです。

現代的なミニマリズムの考えをピアノにも取り入れてみましょう。

 

運営企業:株式会社ダリコーポレーション(スクール名:ダリ・インスティテュート)

 

ピアノに関するQ&A-練習時間について3

Q:ピアノを習っている子どものことですが、他の習い事も学校の勉強もありなかなか練習する時間がとれません。本人はピアノが好きなようですが・・・。

 

A:(講師:塩川)練習は子どもも大人も自身のスケジュールを鑑みて常に計画的に行うことが大切です。

基本的にこの世に暇な人間というのはいないはずなので(社会的義務を放棄している場合は別ですが)、誰もが多忙な中で練習に時間を割いています。

時間が無いといっても、ピアノが弾ける環境にあって1日5~10分の時間を確保できない人はほぼいません。練習時間としては十分ではないかもしれませんが、その範囲で実行できる練習はたくさんあります。

例えば、本人が練習している曲の中で苦手な部分、いつも間違えてしまうような箇所があるなら、そこだけを5~10分をつかって反復練習すれば十分な練習となります。その変わり一秒でも無駄にしないためにも一つ一つの動作を集中して行いましょう。

私の経験としては、大人だろうが子どもだろうが「時間がない」という言い訳をする人ほど無駄な時間の使い方をしています。効率化が全てではありませんが、効率的なものの考えを取り入れなければ人生はあまりに短くなります。

 

運営企業:株式会社ダリコーポレーション(スクール名:ダリ・インスティテュート)

 

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