ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-練習の際の疲労について
ピアノに関するQ&A-練習の際の疲労について
2020.10.12
Q:練習の際、すぐに腕がつかれてしまいます。そんなに疲れるような曲を弾いているつもりはないのですが。
A:弾き方の問題に焦点を当てるとしたら、手首を余分に振っている、打鍵の際押さえつけようとして腕の筋肉を必要以上に使っている、というような原因があげられます。
力任せになんとかしようとしても、人の筋力には限界があります。ピアノは一瞬の間にならす音がとても多いので、そんな中一つ一つに力を入れてたらとても身がもちません。
自身の体の持つ潜在的な質量を最大限利用することにより、極力エネルギーを温存することができます。音量が大きくなるほど、基本的には鍵盤に自身の体重を乗せるような感覚で弾くと、比較的楽にフォルテを出せるようになります。
また、もう一つは楽曲の解釈に問題があるということが多くあります。
例えばF(フォルテ)と書いてある後にクレッシェンド(だんだん大きく)とあった場合、そのままどんどん大きくすると必ず限界が訪れます。その際は一旦やや小さくしてから大きくするなどのコツが必要です。
また、右手のメロディーより左手の伴奏が大きい、というようなことも疲れる原因の一つです。耳ではメロディーを聴くため、目立たせようとして左より大きな音量で弾こうとすることにより無意識的に右手に力が入ります。メロディーを目立たせるためには他の要素、つまり伴奏部分を意識的に小さくすることを心掛けましょう。