ピアニストからの手紙トップ 【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-11 「せきれい」

【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-11 「せきれい」

2021.05.18

ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-11
「せきれい」


[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]


【概要】

「せきれい」とは鳥類のセキレイ科に属する野鳥。鳥の囀りのような高音部のスタッカートが特徴的な曲です。短いですが、軽やかなタッチを主体としたやや高度なテクニックを要します。

 

【対象レベル】

・5本の指の独立がある程度完成されており、一定以上のスピードで指を動かすことができる。

・手のポジション移動を瞬時に行うことができる。

・同音打鍵の奏法を会得している。

 

【参考演奏動画】

演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)

 

【練習・指導のポイント】

1〜6小節目:

1、2小節目のスラー内は同位置で弾けますが、拍ごとのポジション移動を速やかに行う必要があります。ゆっくりな速度の練習に加え、指定されたテンポでなるべく訓練すること行いましょう。手が移動する際に一瞬止まって指の配置が正しいかその都度目視で確認する、という練習方が有効です。

 

7〜14小節目:

テーマのメロディーには同音を打鍵するパッセージがあります。同じ指で弾くのではなく、指示の通り指を変えながら打鍵すれば疲れることなく明瞭な響きを持って打鍵することができ、ポジションの移動もスムーズに行えます。

両手ともレジエロ(軽く)の指示もあることから、腕の重みは加えずになるべく指の重さで打鍵しましょう。手首だけが上下しないよう、関節は解放した状態で動きだけ固定して弾くと良いでしょう。

 

15〜22小節目:

左手に動機が移ります。右手に比べてややコントロールしにくいかもしれませんが、力任せに鍵盤を押そうとするのではなく、常に力を抜くことを意識すると指がしっかりとついてきます。

19小節目からはクレッシェンドの指示がありますが、音が大きくなったとしても重さは加えぬように打鍵のアタックを強くすることで音量を調節しましょう。

 

 

 

 


【執筆者】

塩川正和

パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ



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