適度なお休み

2023.02.09
ピアノを習い始めてしばらく経ちますが、
練習に対するモチベーションが上がらなくなってしまい
ピアノに向かうのが億劫になってしまいました。なにか対策はありますか?

これはピアノに限らず、何かひとつの事を長く続けていると必ず起こる現象だと思います。
ピアノ教室に通って来て下さる生徒さんの中にも
ピアノに対する新鮮さが少し薄れてきたのかな?と思うことがよくあります。
生徒さんは迫るレッスンの日にちに焦る気持ちがあるのに体は動かない、
となってしまいがちです。ですが皆さん陥る現象ですので、自分だけだと思わなくて大丈夫です。

私自身はというと昔から気分の上下があまりない性格をしているので、
淡々と日々の練習をこなすタイプでした。とはいえやはり人間なので、
やる気のない日はもちろんありますし、ピアノに向かってもあまり捗らずいい音が出ないな、
と思う日もあります。
ですが基本的にピアノには毎日触ります。これは子供の頃からの習慣でもあり、
ピアノに触らないとなんとなく指が気持ち悪いという感覚になります。

つまりやる気のあるなしに関わらずとりあえずピアノに向かって弾く、
という習慣がついているのです。
そしてその習慣の継続のためには必ず毎日弾く曲をいくつか準備し、
弾かずに過ごすのが気持ち悪いという感覚を手に入れることが大切です。
モチベーションの上下は人間であれば仕方の無いことなので、
無理にモチベーションを上げようとするのではなく、
モチベーションの低い時でも最低限のことをするという習慣がつけばよいと思います。

しかし、そもそもその習慣をつけるのが面倒だと思われる方は、
いっそのこと1ヶ月まったくピアノに触らず練習とレッスンを
お休みするというのも手かもしれません。

その間はコンサートに行ってもいいですし、
ドラマや映画を見てモチベーションの回復を待ちましょう。
おすすめはピアノや音楽に関する漫画を読むことです。

ピアノは短距離走ではなく、一生走り続けていく超距離走のようなものですから、
時に休息は必要になると思います。
適度なお休みをとりつつ、一緒に頑張りましょう。

ダリ・ピアノ教室講師 草間 友来(国立音楽大学卒)

PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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