ピアニストからの手紙トップ 冬場のピアノの練習が寒くてつらいのですが、なにか対策していますか?

冬場のピアノの練習が寒くてつらいのですが、なにか対策していますか?

2023.01.14
冬の練習本当に寒くてつらいですよね。
寒さで指がガチガチになった状態でいきなり曲の練習に入るのはかなり厳しいと思います。
かといってエアコンをガンガンにかけてしまうと調律が狂ってしまったりするので、
気を使いますよね。
鍵盤も冷たいので、弾いているうちにもどんどん冷えてしまいます。

私はまずお湯で多少指をあたたかくし、多少ほぐしてからピアノに向かうことが多いです。
または寝起きで靴下だけ履いてそのままピアノに直行するときもあります。
寝起きは指があたたかいですからね。
足元をヒーターであたためるのもいいですが、
私は電源をつけたり消したりするのを忘れて離れてしまい、危ないのですぐにやめてしまいました。

一番手軽なのは使い捨てカイロを常にひとつ持ち歩いておくことです。
ちなみにカイロであたためるのは指先ではなく、
手の甲の血管をあたためると効率よく手が温まってよいそうです。

そして寒い時期の練習の手順ですが、
いきなり難易度の高い曲を弾くのはあまりおすすめできません。
手が冷えたり体が冷えたままの状態で難しい曲を弾いてしまうと力んでしまいますし、
いい練習にはなりにくいかなと思います。
まずはハノンや指の練習曲をゆっくり弾いて、指をあたためていきましょう。
ちょうど体育の前に準備体操をするような感覚ですね。

私はハノンの一番をその日思いついた調で弾き、
その後スケール→アルペジオ→減七アルペジオ→属七アルペジオの順番でゆっくりと弾きます。
そしてハノンの31番を好きな調で弾きます。
そしてツェルニーかクラーマービューローかショパンのエチュードを、
その日の気分や体調、指の調子によって決めています。

大体これで30分くらい経っていて、指がかなり温まります。
そこから曲の練習に入っていくことが多いです。

ピアノを弾くことは指を動かすことですが、体を動かすということでもあります。
ケガや故障をしないためにもしっかりと準備をして練習に臨みましょう。

ダリ・ピアノ教室講師 草間 友来(国立音楽大学卒) 

武蔵浦和駅前教室

PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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