ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-黒鍵を弾く時の指の使い方

ピアノに関するQ&A-黒鍵を弾く時の指の使い方

2020.10.15

Q:速く指を動かす時、特に黒鍵が多いフレーズがなかなか流れるように弾けません。

 

A:(講師:塩川)ポイントは手の形、指の配置、ポジションを移動する際の指のかえしです。

鍵盤に手を置く時、一次元的にドの鍵盤、レの鍵盤・・・のように考えるのではなく、鍵盤の奥行きまでしっかり考慮しましょう。つまり二次元的に考えることが大切です。

大原則として、白鍵と黒鍵が混ざるパッセージにおいては、可能な限り親指が黒鍵にのることを避けた方がよいです。なぜなら親指は他の指より短いため、奥側にある黒鍵を弾こうとすると必然的に手が奥にいこうとしてジグザグな動きをするからです。ゆっくり弾いていると問題ないようにみえますが、その状態で一旦スピードをあげると非常に手に負担がかかります。

それを守ったうえで、親指以外の指は鍵盤上のどの”点”位置にくるとより手に馴染むかを判断すれば、黒鍵が混ざったパッセージでも安定して指を動かしやすくなります。音階に関しては、まずは親指の位置を基準にすれば分かりやすくなる筈です。

 



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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