ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-音楽留学について

ピアノに関するQ&A-音楽留学について

2020.04.27

Q:ピアノで海外留学するとしたらどこがおススメでしょうか。また、音楽大学は学費が高いイメージがあるので金銭的な問題も気になります。

 

A:(講師:塩川)私自身はフランスにいたので、パリをお勧めしたいところです。

フランス、特にパリは芸術の都と呼ばれるだけあって、音楽以外にさまざまな芸術分野の学生と接する機会も多いでしょうし、もちろん優れたアーティストたちの多くが活躍の舞台としている街です。

音楽留学だけに関して言えば、ドイツやオーストリアが真っ先に浮かび上がります。どちらの国も素晴らしいのですが、すでに入学前の段階で語学力を試されたり、ビザ取得がやや難航することが多いです。

フランスの場合ですと、ビザも比較的おりやすく、語学にはある程度寛容で(あくまでも入学するまでは、ですが)、最初は喋れずともヨーロッパ最大級といっていい日本人コミュニティも存在するため、初めての海外であっても現地でのサポートはある程度期待できると思います。

ただ、その時折の政治的情勢によって制度が変わることは多くあります。決めるにあたっては留学しやすさで判断するのももちろん必要ですが、自身の習ってみたい先生、好きな作曲家の出身国、何となくその国が好きだから、などの独自の「その国でなければならない理由」があると明確に意思決定ができると思います。

 

学費に関していえば、イギリスを除くヨーロッパは海外留学生に対しても学費は日本に比べると圧倒的に安くなっています。(私の通っていた大学は私立にも関わらず年間30万円以下でした)

ただ、学費は安いといっても学校外での費用や生活費は当然かかります。苦学に加えて、言葉が通じないことや生活スタイルのギャップでのストレスを、留学初期の段階では覚悟した方が良いでしょう。

 

キャリアも経験も音楽留学ですが、気をつけておきたいところは「留学後どうするのか」といった面です。ずっとその国に住み続けるということも可能ではありますが、大抵の場合留学を終えて日本に帰国して音楽活動をするというのが一般的です。

音楽に限らず、大学というのは勉強をする場所だけではなく、人脈作りやその後の進路、卒業後の就職先に関する情報など、自身の将来のライフスタイルにかかわることも多く担っています。

日本の大学を経ずに留学して帰国すると、その辺りは0からのスタートになるので、ある程度活動の下地を作っている日本の大学出身者よりもハンデが生まれることがあります。

留学の前段階の際は、留学を終えて帰国後どのようにしたいのか、というプランを漠然とでも立てていくことを強くお勧めします。

PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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