ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-美しい音色について

ピアノに関するQ&A-美しい音色について

2020.04.27

Q:メロディー、どうしたら柔らかく美しい音で弾くことができますか?理想の音と自分の音にギャップがあります。

 

A:(講師:塩川)はじめにメロディーライン、主にレガート奏法を用いたフレーズを美しく弾くための実践的な方法をご紹介します。

まず大切なのは腕の重さ。腕→手→指、そして鍵盤まで達する重さによる圧力に気を配る必要があります。
仮にある音をだすために、指から鍵盤にかかる重さを100グラムだとします。そしてそれぞれの音を紡ぐようにメロディーをつくっていきますが、その際注意するべきことは100gを一つ一つ指から与えていくのではなく、常に鍵盤に100gの重さがかかっている状態を維持していながら、その重さをそれぞれの指に移していく、というような「鍵盤に重みを与えることによる鍵盤からの反作用」を意識すれば自然なメロディーのレガートが作れます。

文章で説明すると小難しくてわかりにくいかもしれません。もし料理用の重量計がご自宅にあれば、その上でタッチの練習をしてみると同じ重さを維持しつつ指に重さを移していく感覚を可視化できるのでお勧めです。

 

さて、ここからは感覚的な話となります。

まず、例えそうは弾けずとも、理想の音をお持ちである、というのはとても素晴らしい事です。なぜかというと、美しい音がなんであるかの答えを既にご自身の中にもっているからです。

良い音にはある程度基準がありますが、数学的な答えを伴うものではありません。ですが、自分の中に答えがあるならば、そこに行くまでの道のり(練習など)をプランニングすればいいだけのことです。

練習方法は多種多様であり、それぞれのケースにあった弾き方を特定することは易しいものではありません。それぞれの音の出し方は、物理的に言ってしまえば簡単に答えが出ます。ですがそれだけでは芸術音楽にとっては単に素材というだけで、素材をどの様に組み立てるかは各々の個性とセンスにゆだねられます。

ご自身で試行錯誤して、たまには誰かにアドヴァイスを受けて、自分の中で消化していって答えをみつけることこそ本当の学びだと思います。長い時間もかかるかと思いますが、自分なりの答えをみつけるための旅路はピアノに限らずとも決して無駄ではない筈です。

PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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