ピアノに関するQ&A-練習時間について
Q:最適な練習時間はどれくらいでしょうか?
A:(講師:塩川)これは完全に状況によります。年齢によるというよりか、子ども大人関係なくその曲の分数や難易度に応じて必要な時間は変わるでしょう。
例えば未就学児の生徒がやるような、まだ5本の指を全て使わないような教本であれば、1日20分でも独力で練習すれば褒めてあげてよいくらいだと私は思っています。(大人であっても始めたばかりで20分の練習は結構根気が必要です)
上達していく過程で曲も難しくなり曲数も増え、それに比例して自然に練習時間も増えていくでしょう。
「うちの子は練習しない」と嘆く保護者の方もいらっしゃいますが、練習をしたくないことは当たり前です。練習は元々きついものです。それでも上手に弾きたい曲がある、と強く願った時に我々は自主的に困難に立ち向かいます。
逆に私は必要以上に練習時間が多すぎることこそ問題だと感じます。年齢に関わらず、練習時間が長いこと=偉いこと、と思っている節がある人も中にはいますが、練習が長ければ結果がでるかと言われるとそうでもありません。むしろ、思考停止したままボーっと練習してるのだろう、と思うことが多々あります。何も考えてなければ悪いクセも一緒に覚えてしまい、上達速度はかなり遅くなります。
大切なのは時間の量より集中の質です。練習の時間は最大限少なくし、きちんと上達という結果の出る練習法をこころがけましょう。
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。