ピアノに関するQ&A-絶対音感について
Q:どのような音感トレーニングをすれば絶対音感が身に付くでしょうか。
A:(講師:塩川)絶対音感は一般的には特殊な能力の一つと数えられています。
純粋な絶対音感は生まれ持ってなにも訓練せずとも音を言い当てられるものですから、音感トレーニングを必要としません。
後天的に訓練することも可能ですが、それは絶対音感と言えるかは怪しいです。まずは基準の音を鳴らし、例えばそれがドの音であると知ったうえで別の音との音程の幅を見極めることで音の言い当てが可能となります。そのケースでいくならば、ある程度の楽典力と実践を積み重ねれば誰にでも音感は備わります。
ちなみに、楽器の演奏に関しては絶対音感は逆にマイナス要因につながることもあります。たとえばある曲のキーを変える際、相対音感(これも能力の一つと考えられます)を使った方が容易に対応ができるからです。絶対音感の場合、ドの音は天地がひっくり返ってもドなので、移調に関しては先天的に苦手であると言えます。
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。