ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-演奏本番時の成功と失敗

ピアノに関するQ&A-演奏本番時の成功と失敗

2020.11.02

Q:普段何気なく弾けてるところが本番だと失敗するんですがなぜでしょうか・・・。

 

A:(講師:塩川)様々な要因があります。どれか一つとって「これが全ての元凶だ」とは言えませんね。

しかしながら、それぞれの結果には必ず原因があります。それを知るためにはその「失敗」が起こったのはなぜなのか?ということを追求していきましょう。

例えば「普段何気なく弾けていた」とおっしゃいますが、果たして本当にそうでしょうか?人間の頭は自分の都合の良いように物事を解釈して錯覚してしまうという厄介な機能があります。もしかすると実は不安定だった箇所なのに、「できている」と思いこんでいただけかもしれません。

巷にあふれているビジネス本のように「成功者はこうしている」という論はあまり役にたてるとは言えません。成功する確かな方法は見つけにくいものですが、失敗する確かな方法とは無数にあるうえに比較的見つけやすいです。

確かに失敗すると精神的に落ち込んだりもしますが、それにめげずに「すべては学習だ」という意思でご自身の経験全てを一滴ももらさずに糧としていくとよいでしょう。

 



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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