ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-楽曲の分析について

ピアノに関するQ&A-楽曲の分析について

2020.12.23

Q:弾いて練習すること以外にやった方がいいことがあれば知りたいです。

 

A:(講師:塩川)楽譜をきちんと理解することにとどまらず、曲全体の構成やそれぞれの要素について深く思索を巡らせるとよいでしょう。

例えばバッハのフーガ等、複雑なポリフォニーによって構成されている曲であれば、実際に打鍵している時間と同じくらい楽譜と向き合うことが理想と私は考えます。ただただ動物的に目の前に現る音符を読むのではなく、全体を俯瞰してみてみると一定以上の規則性を伴った構造になっていることが分かると思います。そこを予め理解しておくと、実際の練習時間もコンパクトにまとまってくれるはずです。

また、積極的に他人の演奏を聴くことも大変重要です。練習は基本的に一人で行うものなのでついつい内にこもってしまいがちですが、客観的に誰かを観察することにより沢山の気づきが得られることと思います。

 

 

 



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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