ピアノに関するQ&A-大人のためのピアノレッスンについて
Q:長年やってみたかったピアノを最近始めようと思いました。大人の場合、子どもがするようなレッスンとは違うのでしょうか。
A:(講師:塩川)私としては、年齢はもちろんその人の性格や生活の背景なども考慮してレッスンの進め方を柔軟に対応するのがよいと思っています。
例えば大人と一口に言っても、昔長い間ピアノを習っていたという方もいれば、義務教育での音楽の授業は基本的に寝ていた、という人もいらっしゃいます。また、その人が理系か文系か、によってもアプローチの仕方は大幅に変わることでしょう。
我々が一般的に学ぶ西洋音楽の根本はしっかりとした論理の上に成り立っています。ですので論理的なものの考えは必須です。当たり前ですが大人は子どもよりも論理的認識能力はまさっており、脳の発達も完成しているので、初歩的な段階において最初から両手を動かす練習に入っても無理なくレッスンが楽しめると思います。
欠点としては、大人の方は子ども以上に物事に飽きてしまう、という傾向があるように感じます。子ども達は見るもの全てが新鮮で、どんなジャンルだとしても自身の成長を肌で感じることに生きがいを見つけます。大人になるとある程度の物事を経験してしまってますので、興味があることをやっても単調に感じる、というジレンマに陥る可能性が多いです。
ですので、常にモチベーションを保つことがうまくレッスンを進めるカギとなるでしょう。ご自身でピアノを勉強する上で叶えたい希望があれば、積極的に師事する先生に相談してみるとよいと思います。
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。