ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-リズムや音価(音の長さ)について

ピアノに関するQ&A-リズムや音価(音の長さ)について

2021.01.08

Q:譜読みが苦手です。音符はパッとわかるのですが、何となくぐちゃぐちゃで何を弾いてるのか自分でもよくわからなくなります。

 

A:(講師:塩川)リズムと音価をそっちのけで弾いてませんか?音楽は音をならせばそれでいいというものではなく、常に土台にリズムというある種の「波」が存在します。その波にのれるように振り分けてあるものが音価、つまり音の長短です。

四分音符や八分音符など、基礎的な音価は当然分かっているでしょうが、それらがあるリズム(4分の4)内に存在する時、その配置によって多少なりと拍感は変わってきます。これを強拍や弱拍、裏拍などといいます。

同じ四分音符でも裏拍にあればシンコペーションの形をとったり、4分の3での四分音符が3つ連続している時は一番初めは重くなるなど、直観的に認識しなければならない、いわゆる「リズム感」というものが非常に重要になってきます。リズム感を鍛えれば、かなり譜読みはスムーズとなるでしょう。

また、譜読みがうまくいかないほとんどの場合において、比較的長めの音符(二分音符や全音符)の保持を疎かにしていることがよく見受けられます。面倒くさいから譜読みの時は長い音は省略してもよい、などと決して思わない方が良いでしょう。リズムは常に一定間隔の「波」です。すこしでも音が足りないと、その等間隔の波の辻褄が合わなくなり、結局はドミノ倒しのように崩壊していきます。

 

 

 



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

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