ピアニストからの手紙トップ ピアノに関するQ&A-フレージングについて

ピアノに関するQ&A-フレージングについて

2020.12.21

Q:メロディーを綺麗に歌わせたいのですが、どのようなコツがありますか?

 

A:(講師:塩川)レガートを行う際は非常に多くの事柄に注意する必要があります。

まず自然な手のフォームで弾けているか、ということを確認すべきかもしれません。子ども達で特に多いのが、指の第一関節が反り返ってしまっていること。この状態ではうまく鍵盤にかかる力を調節することができません。指の形については、なるべく事細かに注意するとよいでしょう。

その次に確認すべきことは鍵盤に対するタッチの質について。一音一音はっきり鳴らそうとしてしまっては、音の粒が際立ちすぎて打楽器的な響きになりすぎてしまいます。ピアノは減衰楽器と言われ、一度音を出すと音は消えていきます。そこをうまく考慮してなるべく自然な弧を描くようなフレーズで弾かなければなりません。

また、音型にも注目しましょう。クラシックの基礎として、音が上がっていっている時はクレッシェンドを、音が下がっていっている時はデクレッシェンドを、というダイナミクスを楽譜に書かれていなくともなるべく付けるようにする事も、メロディーを美しくする上で重要となります。

 

 

 



PROFILE

ダリ・インスティテュート「ピアノ教室」
塩川 正和
ダリ・ピアノ教室講師
アドバンスコース特別講師

福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。

フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。

ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。

現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。

PAGE TOP