ピアノに関するQ&A-ピアノ教材の選び方
Q:これから子どもにピアノを習わせようと思っているので、どんなことから始めさせるとよいか悩んでいます。
A:(講師:塩川)前提として年齢による脳の発達具合に応じてレッスンの内容は変わってきます。
未就学児のなかでも4歳と6歳ではかなり違いがあります。実際にピアノを弾くレッスンでは6歳以上であれば早々に両手を使うことも可能ですが、4歳以下となると指のひとつひとつから学んでいくことで無理なく上達していけるでしょう。
また、大人が容易く理解できるような複合的なものでも、子どもたちにとっては非常に複雑に感じることは大変多いです。例えば、指番号の1,2,3・・・と音価の長さの1拍、2拍・・・の2つの要素を合わせて考えてしまうことが頻繁にあります(1の指で2分音符を弾く等)。なるべくなら指でピアノを弾くこと、リズムを理解すること、視覚的に楽譜を理解する、楽譜を自分で書ける、など要素をなるべく分解したレッスンを行うとよいでしょう。
小学生以上となると一気に複合的な要素を理解でき始めるようになります。その場合だと今度は単純化されすぎたものに対しては退屈を感じることもあるので、本人にとって技術的に少し手ごたえのあるもの、ある程度知識や理解を要する内容を充実させることでモチベーションの向上に役立つでしょう。
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。