ピアニストからの手紙トップ ピアノで弾ける3月や卒業シーズンにピッタリな曲はありますか?
ピアノで弾ける3月や卒業シーズンにピッタリな曲はありますか?
2023.02.25
ピアノ教室でも生徒さんが卒業シーズンの曲を弾きたいとお持ちいただいたり、 卒業式の伴奏をするんだけどと伴奏譜をお持ちいただくことがあります。 やはり旅立ちの日には定番の合唱曲なので、よくレッスンでも扱います。 素晴らしい曲ですよね。 合唱曲やポップスも素敵なのですが、 クラシックの曲でしみじみと3月を感じるのもいいですよね。 今回は卒業シーズンにピッタリなクラシックの曲を3曲ご紹介します。 別れの○○、とタイトルのついている曲も名曲がたくさんありますが、 何となく雰囲気に別れを感じるものも合わせてご紹介します。 今回はピアノに限定してご紹介いたします! まずはご存知かと思いますが、ショパンの別れの曲ことエチュードopus10-3です。 このタイトルはショパン本人ではなく、 1934年のドイツ映画「Abschiedswalzer(邦題で別れの曲)」から広まった愛称です。 ショパン自身もこの曲をたいへん気に入っており、 「もう二度とこのような美しい旋律を書くことは出来ない」 というような発言をしたほど気に入っていた曲のようです。 原曲の難易度はかなり高いのですが、 少し難易度を落としたアレンジ版も沢山出ていますので、 ぜひチャレンジしてみていただきたいです。 次におすすめしたい曲はラフマニノフのヴォカリーズです。 原曲はとても美しい歌詞のない歌曲なのですが、 ピアノ編曲版も出版されています。こちらは哀愁のある物悲しいフレーズで、 シンプルですが心に響くメロディです。 ピアノ編曲版も決して簡単に弾けるものではないですが、 弾いている時のなんとも言えない幸福感をぜひ味わっていただければ嬉しいです。 次におすすめしたい曲は、リストの愛の夢第3番です。 こちらも有名な曲ですが、実は原曲は歌曲で、こちらは歌詞がついています。 リストが自身でピアノソロに編曲したようです。 やはり元が歌曲ということもあり、大変歌心を必要とする旋律です。 ピアニスティックなフレーズもあり簡単な曲ではないのですが、 哀愁のあるフレーズは3月にぴったりではないでしょうか。 以上、卒業シーズンにピッタリなクラシックのピアノ曲を3曲ご紹介しました。 ぜひレッスンでチャレンジしてみて下さい。 ダリ・ピアノ教室講師 草間 友来(国立音楽大学卒)
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。