【楽曲解説&練習指導方法】ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-13 「なぐさめ」
ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-13
「なぐさめ」
[ピアノ学習者に頻繁に用いられる有名曲の簡単な解説を定期配信中。毎週火・金に更新]
【概要】
右手のメロディーがレガートで連綿と続く穏やかな曲です。技術的に比較的容易ではありますが、多声的な音楽のつくりになるよう気を使いましょう。
【対象レベル】
・左右の5本の指を使ってレガート奏法ができる。
・指のくぐらせ、飛び越えを使ったポジションの移動ができている。
【参考演奏動画】
演奏者:塩川正和(当ピアノ教室主任講師)
【練習・指導のポイント】
1〜5小節目:
右手は1の指の音を保持したまま3,4,5の指で滑らかに打鍵します。指の力だけで弾こうとせず、ある程度の腕の重さを描けるように弾くと安定感が増すでしょう。
8〜23小節目:
右手は最高音部と交互にくるソの音とで声部を分けるように演奏します。親指を打鍵してる最中も高音部の鍵盤を離さず、物理的につながっている(次の鍵盤を押すまで前の音は伸ばしておく)ようにすると、立体的な演奏となります。
17〜24小節目:
多声部のメロディーが左右の手を行き来しますが、先ほどとやることは変わりません。4分音符は途切れることないように演奏し、可能な限り音型に合わせてダイナミクスを不自然のないように加えましょう。あまりアゴーギグは加えず、常に同じテンポ感で演奏すると、シンプルで純粋な音楽になるでしょう。
【執筆者】
塩川正和
- パリ・エコールノルマル音楽院卒業。ブルーノ・リグット氏に指事。国内外でのコンクールに多数入賞。印象派〜近現代作品を主に得意とする。ダリ・インスティテュートにて主任ピアノ講師・ヴァイオリン講師を務める。
- 指導においては導入から上級・専門と幅広く、個々の性格を見極め、それに応じた指導のアプローチを大切にしている。国内の各種コンクールの審査も務めている。
- YouTubeにて演奏動画を配信中(チャンネルページ)
PROFILE

- 塩川 正和
- ダリ・ピアノ教室講師アドバンスコース特別講師
福岡第一高等学校音楽科卒業。在学中に福岡県高等学校音楽文化連盟コンクールにてグランプリ、ショパンコンクール in Asia 協奏曲C部門九州大会金賞、北九州芸術祭クラシックコンクール一般の部において最年少17歳で大賞及び県知事賞を受賞するなど、コンクールにて研鑽を積む。
また、ボルドーにて開かれたユーロ・ニッポンミュージックフェスティバルに招待演奏者として参加し、ソロ曲及びシュピーゲル弦楽四重奏団とシューマン作曲のピアノ五重奏曲を演奏し好評を博す。
フランスのパリ・エコールノルマル音楽院にフジ・サンケイスカラシップの奨学金を受け授業料全額免除で入学。
20歳にて同校の高等教育課程ディプロムを、翌年には高等演奏課程ディプロムを取得。
エクソンプロバンス・ピアノコンクールにて3位受賞、フラム国際コンクール及びフォーレ国際コンクールにてファイナリスト。
ラヴェル等のフランス印象派の作曲家作品を中心としたリサイタルやアルベニス作曲の組曲「イベリア」の全曲演奏を行うなどのほか、デュオや伴奏活動も積極的に行っている。
北九州芸術祭、長江杯国際コン クール等にて優秀ピアノ伴奏者賞を受賞。
現在は東京を中心に演奏活動を行い、ダリ・インスティテュート(ダリ・ピアノ教室)での指導のほか、日本各地で後進の指導にあたっている。
これまでにピアノを黄海千恵子、故宝木多加志、ブルーノ・リグット、イヴ・アンリ氏に、室内楽をクロード・ルローン氏に師事。